27日午後9時頃、東京都多摩市永山のマンションの住民から、「『助けて』という叫び声がした」と110番があった。
警視庁多摩中央署員が駆けつけたところ、4階の一室で、住人の会社員福吉香平さん(25)が腹や胸、背中など十数か所を刃物で刺されており、搬送先の病院で死亡が確認された。直前に福吉さんともみ合う若い男が目撃されており、警視庁は殺人事件として特別捜査本部を設置し、男の行方を追っている。
発表によると、福吉さんは普段着姿で自宅の玄関に倒れていた。玄関ドアは開いており、血痕があったことから、自宅を訪れた犯人ともみ合いになって刺されたとみられる。検視の結果、死因は失血死の可能性が高いという。凶器は発見されていない。
福吉さんの隣人男性(63)は、福吉さん宅の玄関で、福吉さんともみ合いになっている若い男を目撃した。その男と鉢合わせになり、隣の建物に飛び移って逃げようとした際に4階から転落し、あばら骨などを折る重傷を負った。
現場付近の住民らも事件後、若い男がマンションから走り去る姿を見ていた。男は身長1メートル70~75、黒色の作業着姿で、南の方向に逃げていったという。